スクリーン生地の素材による特徴

　どのような印刷方法であっても、まず最初に版になる材料を準備する必要がありますが、シルクスクリーンの場合、枠にスクリーン生地を張ったものがそれにあたります。
　スクリーン生地の素材としては、シルクスクリーンとよばれる由来のシルク、そして化学繊維のナイロン、テトロン、イエロン、アルミなどあります。
　これらの素材は、それぞれ一長一短があります。枠張り方法、製版技法、予算などを考慮して選択します。

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「素材別、長所・短所」

　

• シルク

  長　　所

  1. 熱に強く、アイロンを用いる製版に向く
  2. フィルムの接着がよく、もっとも使いやすい
  3. ハレーション現象(*1)を起こす心配がない

  短　　所

  1. 織り目がやや不規則でメッシュ(*2)に限界（200メッシュ)があるので、細かな感光技法に不向き
  2. 価格が高い
  3. 水気を吸うとのびるので、水性、水溶性インクには不向き



• ナイロン

  長　　所

  1. 織り目が均一なため、目の細かな高いメッシュを得られ、細かな図柄に向く
  2. 摩擦に対するもっとも強い耐久性があるため大量印刷に向く
  3. インクの通過性がよい

  短　　所

  1. 熱に弱く、アイロンを用いる製版に不向き
  2. 感光技法には、ハレーション防止をする必要がある
  3. 伸縮性が大きいので、強くスクリーンをはらないと誤差がでる



• テトロン

  長　　所

  1. 織り目が均一なため、目の細かな高いメッシュを得られ、細かな図柄に向く
  2. 摩擦に対する強い耐久性がある
  3. 耐水性に富み、濡れたときの強さにも変化しない
  4. 価格が安い

  短　　所

  1. 熱に弱く、アイロンを用いる製版に不向き
  2. 感光技法には、ハレーション防止をする必要がある



• イエロン

  長　　所

  1. 感光技法には、ハレーション防止をする必要がない
  2. 以下、テトロンと同じ

  短　　所

  1. 熱に弱く、アイロンを用いる製版に不向き
  2. 価格が化学繊維の中で最も高い