「月刊アスキー」の2000年9月号に「視覚障害者 苦闘の15年」と題して、視覚障碍者の読書環境についての記事がありました。記事は、読み書きの手段としてパソコンソフトを開発してきた方々のご苦労、DOSからWINDOWS時代に変わり、新たな開発に挑戦している状況が述べられています。その中で、開発のための最新情報を得ることの困難な現状もまた述べられます。
彼らにとっては、一般書籍あるいは専門書籍よりもさらに専門雑誌の情報が必要になるのですね。本を紙に印刷する前に、必ず存在するはずのテキストデータ、これが手に入りさえすれば視覚障碍者にも容易に読むことができます。現状では、個別に編集担当者に問い合わせお願いをして、それでもすべてが手に入るわけではないとのこと。かといって、私たち入力ボランティアの手にかければ、新刊のデータが出来上がるころには旧刊のデータ(笑)になってしまいます。(現状では必要な存在ではあります。)こうした中で、紹介されていた日経BPのサービスは画期的だと思いました。26誌の記事をテキストファイルでダウンロードできる一般向けの有料サービスで、ここで肝心なのは一般向け、有料ということ。特別なサービスではないということです。利用者が多ければそれだけサービスの内容も充実してきますし、長続きするでしょう。
私が従来より述べてきている理想的な電子出版もここにつきます。書店に並べられている本や雑誌が、紙だけでなく電子データでも販売されていれば…。当初、電子データの需要は少ないでしょうから注文制にすればいい。媒体の丸ごとコピーの防止策として、コピープロテクトを開発するのは難しいことではないはずです。その他、私には気づき得ない細かな問題点が多々あるとは思いますが、読者の喜びも多く、紙資源の減量にもなる電子出版の実現に、少しでも近づけて欲しいものだと思います。