あなたは、ルイ・ブライユというフランス人をご存じですか?先日、「ブライユ」(偕成社)という本の音声訳をする機会がありまして、私は初めて彼の詳しい生い立ちなどを知ることができました。
点字のことを「ブライユ点字」と言ったり、点訳ソフトの名前に「ブレイル」という語句が含まれていたので、うすうすは、点字を発明した人かなぐらいには思っていました。彼は、3歳の頃(1812年)、事故により失明し、全盲者となります。しかし、生来の勉強好き、器用さに加えて、回りにいた理解者のおかげで、パリの国立盲学校へ入学することができました。ここで、それまでの浮き彫り式の盲人用書籍に代わって、6点点字式による書籍を考案することになるのです。この点字はもともと、バルビエという軍人が夜間の連絡用に考案した暗号を応用、改善したもので、そういう意味では、決してブライユ一人の手になるものではないようです。しかし、必要は発明の母と言います。全盲のブライユであったからこそ、現在、世界中で使用されている6点点字が発明されたものだと思います。
視覚障碍者の読書環境が、パソコンなどの情報機器によってだんだん便利になってきているとは言え、それらを本当に使いこなしている方は、ほんの一部分の方ではないかと最近考えています。盲学校を卒業あるいは在籍されている方にとっては、点字が最も拠り所とするところでしょうし、また、中途失明者にとっては、最初のうち点字もわからず、パソコンも使えず、テープなどの音声が頼りでしょう。また、視覚障碍者には、少しは見える弱視者も含まれます。彼らにとってはテープなどと共に拡大写本が重要な情報獲得手段になります。
電子出版などという将来の夢はともかく、現在の彼らのニーズに応えるにはどうしたらいいか、私自身、改めて考えたいと自戒している今日このごろです。それやこれやあって、最近、BBA(視覚障碍者読書支援協会)に入会させていただきました。当面の個々のニーズに少しでも応えたいと思います。