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思えば7年前
北米の森の撮影に明け暮れていた頃
ある夜、雨の降り続くテントの中で
綾の森を歩いている夢を見た。
悲しいほど、鮮明で美しい夢だった。
僕は夢の中で、照葉樹林独特の
少し苔むような樹や土の匂いを思い出していた。
清らかな水の流れを思い出していた。
目が覚めてからも、無性に森に帰りたいと思った。
森を撮影したいと思った。
僕の想像をはるかにこえた、何か大きな力が働いて
森が呼んでいる気がした。
その時、どうしようもなく帰りたかった。
綾の森へ。
森からのメッセージが8000マイルの大平洋をこえて
僕に届いた気がした。
時に、森の中で
樹々の気持ちが痛いほど理解できることがある。
人間は、言葉を使わなくても樹々と対話できると
僕はどこかで信じている。
「どんな風に対話するの?」と聞かれても
説明することはできないけれど
樹にも心があるよ、きっと。
だから、僕は今日も樹に会いに行く。
カオスの森へ・・・
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