ご挨拶

表紙に掲載した写真は、現在、防衛省の敷地内に保存されている「市ヶ谷記念館大講堂」です。
昭和12年に旧陸軍士官学校本部として建設され、戦後は米軍に接収。昭和21年から2年間、極東国際軍事裁判の法廷として使用された場所です。
平成12年に防衛庁が六本木地区から現在の新宿区市ヶ谷に移転した時、この建物も2階、3階部分のみ移築・復元されました。

私が写真を撮影した方向は、玉座(天皇の椅子のある位置)から講堂2階方面に向かっています。
この写真でわかるように、この講堂は天皇の視線が2階席よりやや上に届くように設計されています。

私はこの大講堂に足を踏み入れる時、かすかに不安を感じました。
当時の熱気が残っていたら、どうしよう。
もしも、その雰囲気にのみ込まれたらどうしよう。

しかし、その不安は不要なものでした。
戦後60年余り経ち、大講堂は静けさを湛え、乾いた風に満たされていました。
私はこの大講堂で、さまざまに思いをめぐらせました。

何となく見てはいけないものとして、私たち日本人は大切なものに蓋をしてきたのではないでしょうか。
もうそろそろ私たちは国のあり方について、個人の意見を持つべきではないでしょうか。

そう思い、私はこの会を立ち上げました。
考え方を強制するのではなく「一緒に考える。一緒に学ぶ」という姿勢を大切にしたいと、私は考えています。

私が譲ることができない信念は「もう二度と、愛する人を前線に送ってはならない」ということだけです。

興味がおありの方は、どうぞ声をかけて下さい。

一緒に学んで行きましょう。                                   
2010.3.26 須河信子


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