#53「金色のイルカ」 2006/2/7
僕はよく夢を見る。
かなり鮮明にそれを覚えている。
それはいつも通いなれた道だった。
(実際には、そんな道全く覚えがない)
いつもなら5メートルくらいの小川に架かる橋を歩くのだけど
目の前には橋がない。
あたりを見渡すと、川が流れている。
ただ、僕の歩く道は、完全にそれを遮断して、
そこだけ鋭角な彫刻等で切り取ったみたいに
道幅だけ、小川が切り取られていた。
★ここからはとても神秘的な出来事。★
正確には小川だった道にさしかかると
左から、金色のイルカが飛んだ!
左から右の川へ、大きな弧を描いて
世界の光を集めたような輝きで右の川へ飛び込む。
その輝きは、次から次に現れて眩しい虹を架けていく。
僕はこの素敵な出来事を誰かに伝えたくて
手当たり次第に電話をかける。
誰も答えない。ベルも鳴らない。
奇跡的に素晴らしい出来事なのに・・・・。
誰にも伝えることが出来ない僕は、途方にくれる。
「僕だけが知っている、金色のイルカ。」
いったい何を象徴しているのか知らないけど、
激しく揺れる胸のドキドキとともに目が覚めた。
美しいフォルムや感動はそのままに、いつもに1日が始まっていた。
そんな夢を見て数日後にハワイ島に行く機会があって、
なにか見つけるのではないかと、少しばかり期待していたのだけど
海も山も、あの金色の橋にはかなわない。
もう忘れかけて、コナ空港から乗った飛行機の窓には
さっきまでいた島と海が見える。
ぼんやり眺めるのは、それはそれで悪くない。
少しだけ眠ろうとした、その瞬間の見下ろした海に何かが跳ねた!?
小さな角の丸い四角形の窓に映る、青い海に目を凝らすと、
僕の飛行機の羽の下あたりに、白い水しぶきが見える。
それはきっと、大きな大きな鯨の合図。
僕は眠るのを止め、四角い海と空を見た。
現実にも、ときどき素敵なことが起きる。