目の中の丸太

キリストは言います。

人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである。あなたがたは、自分の裁く裁きで裁かれ、自分の量る秤で量り与えられる。あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。兄弟に向かって「あなたの目からおが屑を取らせてください」とどうして言えようか。自分の目に丸太があるではないか。偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる。
( マタイによる福音書第 7 章 )

罪を犯した人にはあれほどやさしい眼差しを向けていたキリストが、自分を正しいと思っている人に対しては一転して厳しい言葉を投げかけます。正義を求めるものに対してはキリストは妥協を許しません。正義に対するキリストの厳格な立場は次のような言葉でも知ることができます。

もし、右の目があなたをつまづかせるなら、えぐり出して捨ててしまいなさい。体の一部がなくなっても、全身が地獄に投げこまれない方がましである。もし、右の手があなたをつまづかせるなら、切り取って捨ててしまいなさい。体の一部がなくなっても、全身が地獄に落ちない方がましである。
( マタイによる福音書第 5 章 )

ここには、「おやさしいイエス樣」などとは程遠い峻厳なキリストの姿が見えます。このような厳しい先生に、果たして、ついて行ける人などあるのでしょうか。