LaTeXを使って文書を印刷する

はじめに

LaTeXは非常に高機能の文書整形アプリケーションです。したがって、操作法を習得するのが非常に大変です。しかし、文書印刷のためにワープロソフトを購入するのも面倒なので、LaTeXをワープロ風に使う方法を考えて見ましょう。

たいていのLaTeXの解説には、その特徴として、きれいな数式を書くことができると書いてありますが、この際すっぱりと無視しましょう。

ワープロを使う場合も、ほとんどの人は、限定された機能しか使っていないのではないでしょうか。凝ったレイアウトをしようと思ったら、Wordなどでも結構大変でしょう。そこで、ここでは、LaTeXで行なうレイアウト 操作を次の項目に限定します。

これだけでも随分いろいろな文章を作成することができます。

平文を入力する

LaTeXはワープロと違って、まず、整形した文書の元となるソースを作成しなければなりません。そのソースを platex コマンドでコンパイルすると、整形された dvi ファイルが作成されます。文書を印刷するためにはその dvi ファイルをさらに Postscript 形式に変換して、lpr へ渡します。こう書くと、あきらめる人が続出するかもしれませんが、実際にやってみるとそう難しくはありません。一般に、コンピュータの操作は、文章の説明より簡単なものです。

まず、下記のようなソースファイルを作成して、first.tex と言う名で保存します。


\documentstyle{jarticle}
\begin{document}
LaTeXは難しそうですが、

やってみれば、意外に簡単です。
\end{document}


first.texが完成したら、platex で first.tex をコンパイルして、first.dvi というファイルを作成します。これを xdvi で表示すると。文書整形が成功です。

$ platex first.tex
platexからの様々なメッセージが出ますが省略...
Output written on first.dvi (1 page, 360 bytes).
Transcript written on first.log.
$ xdvi first.dvi

これを印刷するためには first.dvi ファイルを dvips コマンドで Postscript 形式に変更した first.ps ファイルを作成します。それから、この first.ps を lpr に渡します。

$ dvips first.dvi > first.ps
$ lpr first.ps

お疲れ様でした。何でこんなに手間がかかるのかと思われたかも知れません。しかし、LaTeXのありがたみは、文書のサイズが大きくなってくると良く分かります。とにかく、LaTeXを使って文書を印刷するところまではたどり着いたわけです。一旦、文書作成を経験してしまえば、LaTeXの解説書を読むのが随分楽になります。

LaTeX のソースファイル

ここで、LaTeX のソースファイルの説明をしておきましょう。LaTeX は HTMLのようにソースファイルの中に文書整形のコマンドを書き込みます。'\' の後に続いている英語の単語が LaTeX のコマンドです。'\documentstyle{jarticle}'はこれから作成する文書のスタイルがjarticle(日本語の論文)であることを示します。このホームページではこれ意外のスタイルには触れません。また、実用上は、ほとんどこのスタイルしか使いません。従って、LaTeX のソースを作るときは、文書の最初に '\documentstyle{jarticle}'と書くと憶えても一向差し支えありません。

'\begin{document}'と'\end{document}'で囲まれているのが document 環境で、この環境の中に入力された部分が文書整形の対象となります。HTML文書の <body> </body> と同じような感じです。環境には、センタリング(\begin{center})、右寄せ(\begin{flushright})、左寄せ(\begin{flushleft})、引用(\begin{quotation})、箇条書(\begin{itemize})等があります。したがって上記で述べたレイアウトにしたいときは、レイアウトしたい部分をこれらの環境で囲んでやれば良いことになります。

文字のセンタリング

先ず次のソースを作成してください。ファイル名を annai.tex とします。空行(何も書いてない行)も忠実に入力してください。


\documentstyle{jarticle}
\begin{document}
\begin{center}
Linux研究会のご案内
\end{center}

Linux研究会を下記の日程で行ないます。

今回のテーマは「エディターの使い方」です。Vi と Emacs の基本的な操作法
の講習です。パソコンも数台用意しましたので、実習形式で行ないたいと思い
ます。

ふるって御参加ください。
\begin{center}記\end{center}
\begin{itemize}
\item 日時:2000年1月15日(土) 午後2時
\item 場所:研修センター2階会議室
\end{itemize}
\begin{flushright}
2000年1月11日\\
Linux同好会
\end{flushright}
\end{document}

ファイルが作成できたらコンパイルしてください。コンパイルエラーが出て途中でとまったら、X(大文字のx) RET でshellに戻ることができます。そうして、ソースを編集して再度コンパイルしてください。うまく、コンパイルができたら、xdviで確認してみてください。

$ platex annai.tex
$ xdvi annai.dvi

次のような文書が表示されるはずです。

ここで使ったテクニックは全て\begin{環境名}と\end{環境名}でレイアウトしたい領域を囲んだだけです。環境以外のテクニックは、次の2点位のものです。すなわち、下から4行目の2000年1月11日の後の '\\' は改行を指示するコマンドです。HTMLの<BR>のようなものです。また、箇条書の各行は、\item コマンドで指定します。たった、これだけの知識でも結構ワープロ風の文書を作ることができます。

文字の大きさを変える

LaTeX で文字の大きさを変えるときは次のようなコマンドを挿入するだけです。コマンドを挿入された部分から後の文字はそのコマンドの大きさになります。もとの大きさに戻すにはもう一度もとの文字サイズのコマンドを挿入します。文字の大きさを指定するコマンドには次のようなものがあります。

また、部分的に文字サイズを変えたいときは、コマンドと変えたい文字を{ }で括ります。

上で述べたことを考慮に入れて先程のソースを編集すると次のようになります。文字サイズコマンドと指定される文字との間は必ずスペースが必要です。


\documentstyle{jarticle}
\begin{document}
\begin{center}
\huge Linux研究会のご案内
\end{center}

\normalsize Linux研究会を下記の日程で行ないます。

今回のテーマは{\large 「エディターの使い方」}です。{\large Vi}{\large Emacs} の基本的な操作法の講習です。パソコンも数台用意しましたので、実習形式で行ないたいと思います。

ふるって御参加ください。
\begin{center}記\end{center}
\begin{itemize}
\item 日時:2000年1月15日(土) 午後2時
\item 場所:研修センター2階会議室
\end{itemize}
\begin{flushright}
2000年1月11日\\
Linux同好会
\end{flushright}
\end{document}

これをコンパイルして xdvi で表示すると次のようになります。

ここまでの知識でも十分 LaTeX を日常的に使うことができると思います。しかし、操作に慣れてきたら是非参考書を読破されることをお勧めします。文書作成の能率が格段に上がるでしょう。

HTML 文書を印刷する

HTML 文書を印刷したくなるときがあると思います。html2dvi などのツールもあるのですが、一番簡単なのは Netscape や InternetExplorer で印刷することです。w3m -dump <filename> | lpr も使えます。