都農町の方言を紹介します
 
 
都農の言葉は、隣町の高鍋・木城・川南町と共通するものが多い。だが、都農町内を見ても山側・街筋・海沿いで微妙に異なる。
 地域によって構成人が異なることもその要因だろう、町筋には商売を目当てに他の土地からきた人が多く、山側の地域にも集団で入植したところがある、海辺の漁業関係者は日向市の細島を経由して海沿いに渡ってきた人が多い。(明治時代、過疎地宮崎に移住政策がとられたことがある、その際多くに人が四国地方から移ってきたとの記録が残っている)
 道路事情が悪かった戦前は地域の交流が少なく、使う言葉の差が大きかったようだ、車社会を迎え、少子化の学校統合などで交流が図られるようになり、その差は少なくなってきた。
 学校教育、都会生活経験者の帰郷などで、さらに方言の色合いは薄れつつあるのが現状だ。
 したがって、ページに載せる言葉は記録に残さないと、死語になるかもしれないものだ、すでに、ほとんど耳に出来ないものもある。


 今はこのような完全方言を話す人は少ないが、一例を。 
 「ヒンノヒナカカリ ショチュクロチ ナンゴッカエ マコチ ヨダキボガ テゲテゲヤメンカ アンベガワリナッチェン オリャシランド」
昼の日中から 焼酎を飲んで 何と言う事だ 本当に 怠け者が いいかげんに止めないか 具合が悪くなっても 俺は知らないぞ
 「ナニソンゲ チンコメコツカヤスカ ソゲンナコツイワジ ワリモイッペノメ」
何をそんなに 小さいことを言うのか そんなことは言わないで お前も一杯飲め
 
完全方言例は、酒の場になってしまったが、焼酎を飲んでヨイクレタときに、今でも多く語られるからでもある。

 他家を訪問時の挨拶の軽重
  「ゴメンナンシ オイデナンスノ」「御免ください いらっしゃいますか」これは、訪問時の最も丁寧な挨拶です。いらっしゃいますかの問の言葉に軽重がある、それに対する応答にも。
 
 いらっしゃいますか  居りますよ
 「オイデナンスノ」   「オイデナンスガ」(最も丁寧な用例)
 「オリャルノ」      「オリャルガ」
 「オンノ」        「オッド」
 「オルカ」        「オッド」のように変わります。
 今では、最も丁寧な使い方を耳にすることは少なくなった、仲間同士の「オンノ」「オッド」は、よく耳にするが。

以下、言葉を羅列します

  • あおじゅむ      青みがかかる(打ち傷が青みがかる)
  • あして         明日
  • あせくる        かきまわす
  • あたで         急に
  • あたれ         惜しい(子供時代の記憶:「あったれ」と言っていたと記憶があるという人もいる)
  • あったき        全部
  • あとげる        後ろに下がる
  • あど・あどげん    踵
  • あば          新しい
  • あぶく         泡
  • あめがた       飴
  • あんげな       あのような
  • あんべ        具合(体調)
  • あんべらしい    具合がいい
  • いくらう        酔っぱらう(子供時代の記憶:「よくらう」と言っていたと記憶があるという人もいる)
  • いたらむね     不要な・余計な
  • いたりくされ     だらしない
  • いっぺ(こっぺ)   いっぱい・沢山
  • いびる        扱う「魚をいびる:魚をおろす」
  • いみる        増える
  • いやしごろ      食いしん坊       
  • うぜろし        うるさい
  • うったつ        はじめる
  • うつい         うとい
  • うてなわん      相手にしない
  • うぶる         うすめる:風呂が熱いのでうぶるにも使う
  • えしゃくわりい    会釈が悪い・言いにくいことを言う
  • えじい         こすい・ずるい
  • えづく         吐き気がする
  • えづろし       気色が悪い
  • おおきん       ありがとう
  • おごじ         拝んで
  • おごる         おこる・しかる(ご馳走するにも使う)
  • おじい         こわい・おそろしい
  • おずる         こわがる
  • おせ          おとな(おせらしい子だ:おとなしい・ませている子供だ)
  • おぞむ         目が覚める
  • おどな         横着な(おどなもん:横着な人)
  • おまう         思う 
  • おらぶ         大声をあげる・叫ぶ
  • おりげ         俺の家(お前に家:わりげ)
  • おろい         あまりよくない   
  • かざ          臭い(かざる:臭いがする。かざむ:臭いを嗅ぐ)
  • かっとし        かったぱし・全部
  • かまゆる       準備する・用意する(接待を受けた客が「そんなにかまゆうんな」)(亭主「かまえちょりゃせんが」)
  • かり          だから(そんじゃかり:それだから) から(そりかり:それから)
  • がつ          所有の意(わりがつ:お前のもの)
  • がんたれ       役立たず・馬鹿者など
  • きさね         汚い
  • きじんめん      酒を飲んで威勢良くなった様(鬼神面:勇壮な神楽の鬼神舞いから連想)
  • きびしょ        急須
  • きもく         混じりっけなし(きもくの焼酎を飲む:湯割などしないで焼酎をそのまま飲む)
  • ぐえ          ぐあい(前出の「あんべ」と同意)
  • くせらし        生意気な・一人前ぶって
  • くりゃる       下さる(くりゃい:下さい)
  • くれえ         暗い
  • くんづく       下を向く
  • けくる         馬鹿にする(わりゃけくったね:お前は俺を馬鹿にしたね)
  • けしんめ       逆さま・裏返し(着物がけしんめだ)
  • げな         らしい・ようだ・そうだ(嘘じゃげな:嘘らしい・のようだ・だそうだ)(そうじゃげな:その様らしい)
  • ごうぎ        無理矢理
  • こくる         転がる(自らが転がる。子供に「走り回ってこくるなよ」)
  • こかす        転がす(他を転がす。焼酎瓶をこかすなよ・焼酎瓶をこかしてしまった)
  • ごて         五体
  • こなす        いじめる
  • こねだ        この間・先頃
  • こんげな       このような (こんげないいものをもろうて:このような良いものをもらって)
  • さのぼる       死んでしまった
  • さみ(い)       寒い
  • さろく         歩く・うろうろする(さるく・さりく とも言う)
  • さじい         すばしっこい・こすい
  • しかぶる       我慢しきれづ出してしまう(トイレまで我慢できずに小便をしかぶる)
  • じゃ          である(じゃかり:そうだから。じゃじゃ:そうだそうだ。じゃねっど:そうではないぞ)
  • しゃごむ       かがみこむ
  • しゃっち       是非・むりやり   
  • しょのむ       ねたむ・そねむ
  • じるる        ふざける・じゃれる(じれる とも言う)    
  • しんきな       じれったい・いらいらする
  • すためる       傾ける(っすたむる とも言う)
  • すねこつ       拗ねごと・文句
  • すば         埃
  • すむ         (水に)もぐる
  • すわぶる       しゃぶる
  • せ           お菜(飯のせ:ご飯のお菜)
  • せがとぶ       水深が背丈より浅い場合(せがとばん:背丈より水深が深い)
  • せからし       うるさい
  • せしかう       あわてる
  • ぞうらく        いいかげん
  • そんぎる       とがらす(先をそんぎる:先をとがらす)
  • そんげ        そんなに(そんげにうるさいことをいうな:そんなにうるさいことを言うな)
  • たきもん       薪・焚き物
  • たけ(え)       高い(ひきい:低い)
  • だし           海岸の潮の流れ(だしに引かれて溺れかけた)
  • たまげる       びっくりする(たまげた:びっくりした。ひったまげた:たいへんびっくりした)
  • だまかす       騙す
  • だれた        疲れた(だるる:疲れる。ひんだれた:たいへんつかれた)
  • ちくじる       扱う・いじる(ちくじりまわす:いじりまわす。
  • ちちまわす      こずきまわす
  • ちゃじょけ       お茶請け
  • ちょか         土瓶
  • ちょこばい       くすぐったい(ちょこぐる:くすぐる)
  • ちょぺん       頂上
  • ちょる         〜している(勉強をしちょる。みちょる:見ている)
  • ちんこめ        ちいさい
  • ついい         強い
  • つず          唾
  • つんぼる       漏れる・こぼれる
  • てくぼ         皿代わりにした手のひら
  • てげ           たいがいに(てげてげにしろよ:たいがいにしなさい)
  • でじ          大事
  • でどこ         台所
  • てにぎ        手ぬぐい
  • てにゃわん      手に負えない・どうしようもない  
  • どかんか       退いてくれないか(どけ:強要の意が含まれる)
  • どしゅんこしゅん   どうにもこうにも
  • どす・どべ      一番後ろ・しんがり・びり
  • どっとこせ       大洪水
  • どやす         叩く
  • とんぼする       脱線する       
  • なえ          地震
  • なし           なぜ(なしてこうなるの:なんでこうなるの)
  • なんかかる      寄りかかる
  • なんくだ        投げ込んだ
  • なんくりかえし    山の稜線のむこうがわ
  • にじょろ        新精霊・新盆
  • ぬがいい       能力がある   
  • ねき          側・傍ら
  • ねずむ         つねる
  • ねなかす       なくならせる・なくする
  • ねなる        なくなる
  • ねらむ        睨む
  • ねんご        文句・屁理屈(ねんごかえすな:文句を言うな)
  • のさらん       運が悪い(のさる:運がいい)
  • のさん        きつい・つらい(今日の仕事はのさんのー)(のさ:のんびり)
  • のそか        たまらない(こんげな無理を言われたのそか)  
  • ばやくる        かきまわす・むちゃくちゃする(人の仲をばやくる)
  • はらかく        腹をたてる・おこる
  • ひっくだ        引っ込んだ
  • ひぼ         紐
  • ひぼかす      火で干す(魚をひぼかす)
  • びよしい        弱々しい・柔軟なびんた    頭(びんたがいい:頭がいい)
  • ふ           運(ふがいい:運がいい。ふがわりい:運が悪い)
  • うたん        ほっぺた・頬
  • ぶげんしゃ      分限者(なんぎぼ:貧乏人)
  • ふけもね       どうしようもない・ふけもねえことをいうな:どうしようもないことを言うな)
  • ふちい        太い
  • べろ          舌
  • ほいっぺ       精一杯
  • ほいる        はまる・落ちる(溝にほいった)
  • ぼうど        全部
  • ぼくど         大変だ
  • ほず          程
  • ぼずる        惚ける
  • ぼっぷ        筒・竹筒
  • ほめく        むしむしする
  • ほやけ        火傷
  • ほらかす       放り出す・ほったらかす
  • ぼる          漏れる
  • まっぽす       直に・一直線に
  • まぬる        告げ口する・まねする
  • まめくり        まみれ(泥まめくり)
  • まんのる       間に合う(まんのらん:間に合わない)
  • まんめな       真面目・忠実
  • みみんす       耳の穴
  • むこづら       向こう面・額
  • めあがり       生意気
  • めって        めったに
  • めり          参り(神社めり)
  • もがう         はむかう・反抗する
  • もぞらし        かわいらしい(もぞらしい子供だ)
  • もぞなぎ          かわいそう
  • もどかす       からかう
  • ももぐる        もみほぐす・手でもんでやわらかくする   
  • やい          なさい(しやい:しなさい。きやい:きなさい)
  • やかんたぎり    熱しやすく 冷めやすい人
  • やくせん       役に立たない(やくせん男だ)
  • やけじゅ       火傷・やけど
  • やちど(やてど)   雇い人
  • やっけな       やっかいな・めんどうな
  • やぼ          藪
  • やまいもほり     酔って絡む人・くどくど言う人
  • やりそこね      失敗・過失
  • やんぶし       山伏
  • ゆるり         囲炉裏
  • よえ          弱い
  • よくい(よきい)   休み
  • よごじょる      曲がっている
  • よだき        (私の感想を入れて、下欄で見てください)
  • れねん        来年
  • わやく        本気でない

    都農言葉について、私の素人考察(都野に住み着いて10年)

     都農言葉は早口で、口調が荒いように聞こえる、10年余都農に住み着いたが都農言葉はしゃべられない、真似のしにくい言葉だ。焼酎に酔った者同士の話をはたから聞くとその半分も理解できない、素面でも都農言葉での掛け合いになると駄目だ、面と向かって話してくれれば分かるのだが。
     「都農に行って喧嘩口を叩くな」と言われていたという、南隣の高鍋は城下町、北隣は物資の搬出港の美々津、都農はその間に挟まれた陸上物資輸送の中間拠点、町の様相が思い浮かぶ、集まってくる荷物・馬や荷車、それを扱う人々の喧噪な動き・、上品な言葉など使ってはいられなかったのだろう。
     
    その都農言葉でも、年寄りの女性が使うと上品に聞こえる、方言も使いようで品格が変わるのだろう。


                      よだきい

      この言葉は「源氏物語」でも使われている、「よだけし」(たいぎだ・面倒だの意)が変化し現在に使われている言葉だと言われている。
     だが「よだきい」は「たいぎだ・面倒だ」イコールの言葉でないように感じる、関東地域でも「よだきい」に類する「面倒くさい」は使われているが、その感覚は異なるように思える。
     季節変化が少ない南国都農、農作業ものんびりしたものだったはず、夏の日中は暑い「よだきいな今日やらなくとも何とかなる、米は年に2回穫れる、冬でも畑には野菜が青々、冬越し準備も必要ない、「よだきい」ですませて今日ものんびり・・・・・・・・・ 
     季節変化が激しい北国では農作業は日単位で追ってくる「たいぎだ・面倒だ」などと言っていられない、当然「よだきい」に類した言葉は思いつかないのです。

     このようなことを書くと怒る人もいるだろうが、関東育ちの私が都農に住み着いて10年感じたままを書いた。今日も明日も「よだきい」を連発しつつ終の棲家の人生を楽しんでいます

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